「アルヴァロとクリスティーナ」(1968)        hyoushilogo2.gif (1530 バイト)


a and c.GIF (8639 バイト) 絵のあるサイトに飛びます。

「アルヴァロとクリスティーナ」は、この姉弟の相次いだ死のすぐ後に描かれた、

レクイエムともいえる作品である。なんの背景説明もなく、この絵だけを鑑賞す

るとつまらないかも知れない。タイトルからは二人の肖像画を想像させるが、

そうではない。二つのドアが描かれている。左のドアは暗く、おそらく内向的な

アルヴァロを表わしている。ドアの前にアルヴァロの使っていた道具類が置かれ

ている。右のドアは青の明るいドアで、クリスティーナを表わし、クリスティーナ

のピンク色の服の切れ端(「クリスティーナの世界」のクリスティーナの着ていた

服もピンク)やエプロンやフライパンがかけられている。この絵からはワイエスの、

姉弟に対する30年の友情への感謝と惜別の念があふれ出ている。

もういちど、この絵を「ワイエスの目」で見、「アルヴァロとクリスティーナ」と

いうタイトルを思い出すとき、静かな感動が湧きあがってくる。

inserted by FC2 system