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ワイエスはオルセン家のクリスティーナをしばしばモデルにした。
病弱で父から過保護ともいえる愛を受けて育ったワイエスには、ポリオによる足の障害を持った
クリスティーナが誰の力も借りず、料理、家事をこなし、花を愛でる姿は驚異であり、それが敬愛
に変わっていった。高潔で強い意志を持った彼女に対しワイエスはこう言っている。
「彼女のような何か巨大なもののそばにいると、薄汚いとるに足りないものは消え去ってしまう。
そして目の前にスウェーデンの女王が座り、こっちをじっと見ているのがわかる。クリスティーナは
私にとってすばらしい人だ。私は下がってひざまずくしかない」(「アンドリュー・ワイエス」 同朋舎出版)
この絵は家の中で這いながら移動する彼女を見て、想像によって描かれたものである。
彼女が自分の家に向かって這いながら進む姿は、強い意志と気品を感じさせる。
ワイエスの最も人気のある絵のひとつ
となった。